魔王戦役までのバンガロール飛空都市
『リタ高等魔法学院』のあるバンガロール飛空都市は、2509年に魔王戦役の終わる直前まで、ヴァルナ海に浮かぶ小さな島でした。周囲には感応石の採れる島が点在し、リグ・ヴェーダの首都であると同時に世界的な感応石の産地として、直径僅か15Kmの島に、250万もの人口を擁していたのです。
もちろん農地などなく、感応石鉱夫と家族が住むスラム街が全島の半分以上を占めています。残り1/2は、総督府と軍と『ナディー・デヴァイジョン』の各施設のほか、遺跡と廃墟が埋めているのです。また、鉱夫たちが住むスラム街は多くが高層のアパートとなっていて、人口の多くを支えているのが他国にない特徴でした。
魔王戦役以降のバンガロール飛空都市
■人口の減少
魔王戦役で、主戦場のひとつとなったバンガロールは、市街地の4割が壊滅し、スラム街に至っては壊滅した面積が6割に達しました。幸い、決戦前に少なからぬ人々を飛空都市内に避難させる事ができたので、死者は60万人ほどに留まりましたが、バンガロールが飛空都市として浮上した際に、採掘していた感応石はすべて消滅し、生き残った鉱夫たちも職を失ってしまうことになりました。鉱夫たちは復興と運河開発、農地開拓に駆り出され、バンガロール飛空都市の人口は終戦後半年も経たずして最盛期の1/5となる50万人を切ったのです。
■首都の移転
バンガロールが空に上がったため、交通の便が悪化してしまいました。また、今後発展が期待される北印地方に目を光らせる必要から、首都機能を移転することが決定、ヴァルナ海北岸の断崖内に2520年の完全移転を目指して新首都「ヴァルナポート」の建設が始まっています。なお、すでに半数の機能は移転し、港湾施設も完成しました。
■生まれ変わるバンガロール
一方、首都機能が転出するバンガロールは、残された感応石の採掘のほかに、『ナディー・デヴァイジョン』を中心とした研究施設や教育機関を集約することになります。また、廃墟を整地し、安定した気候の元で農耕牧畜を展開する計画が進められており、数年後には学究田園都市としての姿が見えてくるでしょう。
なお、人口は今後もしばらく減少し、「20万人前後で落ち着くのではないか」というのが総督府の見方です。